あなたへのメッセージ from Mr.Kid  writing by 2011

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「入所のきっかけ」

もともと「一応普通には暮せているけれど、調べたら何かあるのではないか」と母から言われていた。就活に当たりそのことを大学の進路指導室に相談し、病院を紹介された。しかし大学も病院も京都にあったので、紹介された病院からさらに紹介されるという形で検査を受けられる病院と定期通院のための精神科、そしてエルムおおさか※を知った。そして検査の結果、発達障害であることが分かった。
その後エルムおおさかの職員の方と相談し、サテライト・オフィス平野を紹介された。そこで職業訓練を受けると就職に近づき、自分の障害とどう向き合うか考えて生きられると聞き、入所した。


「実習内容と日々の作業」

入所当時には、事務作業の練習を集中して行った。私は中でも、電話応対を特に苦手としているようだ。
現在でも時々、指導員の指示でカッターやスタンプ作業などの練習を行っている。ビジネスマナーも毎週あり、自分を振り返る機会と認識し、知識を吸収している。

特徴的な実習といえばグループワークである。一つのテーマを与えられ、個人の内面を振り返り、皆で発表する。またはグループに分かれ一つのものを作り上げたりもする。

11月末には職場実習に参加し、12月から3月にかけては短期契約社員として働いた。その中で、労働する上でのノウハウ(メモを活用する、作業能率について考える)やチームワークを学んだ。また仕事を行う上で注意力や周囲への配慮などの自分に欠けている部分を知り、補っていく足掛かりができた。

サテライトオフィス平野での実務は、私の場合主にAdobe Illustratorでの名刺作成・印刷業務である。まったく1からお客様と打ち合わせする場合もあれば、電子データ化していない名刺を再現するとき、すでに制作してある名刺データを修正するときもある。
他には緊急連絡票の作成、WordやExcelによる事務所内文書作成などを行っている。職場実習前は出席票の管理も行っていた。

右の図はAdobe Illustratorで作成したものである。自分は特にIllustratorに向いているようで、入所してから今まで着実に使い方を学び取ってきた。そして、それは名刺の印刷をはじめとする様々な業務に応用されている。




これからの見通し

ビジネスに必要な事務作業やノウハウなどのスキルは着実に身についている。
今後はハローワークで総務・施工管理などを含む事務職(月収14万以上)を探し、これらのスキルをアピールし、できる限り年内には就職できるようにしたいと活動を始めている。
就職し、ある程度の預金がたまったら一人暮らしを始め、プライベートを充実させていきたい。奨学金の返済もあるので、着実に支払っていきたい。
このメッセージについて:彼が文中で言及している通り、その才能を十二分に発揮してくれたのが“イラストレーター”“フォトショップ”等描画アプリを用いたビジュアルワークです。文中の画像、またタイトル直下のイメージも彼の作品、就労の際は何よりこの才能と業職種のマッチングが望まれるのでしょうが、現状一般事務職につかれています。

※エルムおおさか:発達障害者支援を目的とした療育、就労等に関する大阪市委託の相談窓口。 >> エルムおおさかHP