発達障害アーカイブス People First edit by Satehira
“サテひら”のように自身の障害と向き合いながら就労の準備に当たれる方がいる一方、自身も周囲も障害の認識を持てず、社会生活の上で様々な生き辛さと直面されている方の潜在人口は氷山で言えば水面下の領域だと想像できます。これは※定型発達の人と障害を持つ人との間にはっきり線引きができない、それが発達障害のむずかしさであり原因だと感じます。
またこのように発達障害と一口に言っても一人ひとり顔が違うように様々な特性が顕在、潜在します、ここでは企業の方に発達障害者雇用に際しそのような個々の特性を理解していただき、雇用、就労支援の参考にして頂ければと思う様々なコンテンツを紹介できればと思います、また現状、或は今後、何らかの問題を抱えた従業者に対応するヒントになり一人でも多くの雇用が守られればと考えています。
|発達障害者と働く
このコンテンツは※高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用マニュアル・発達障害者と働く」のリンクを中心に解説を加えたものです。[コミック版5 障害者雇用マニュアル 発達障害者と働く(2012年3月)]
私たちは働く上で様々な事象に遭遇し対処する能力を必要とされます、個人的な事例ですが筆者もこの“サテひら”に従事し同様に求められます、が、仮に事務処理能力を要求されたなら即解雇レベルです。これはマッチングの問題です、では遅刻はどうでしょう、無断欠席は?勿論大問題ですがこれはマッチングではなく“常識”になります。
この常識の様に既得している、当たり前に備わっていると思われる行動が様々な要因で理解できなく要求に応えられない、このような事象も発達障害の特性の一つです、このマニュアルではそのような事態での対応、支援のヒントがわかりやすく書かれています。
事例1
会社で優先順位をつけて仕事をすることが苦手で契約更新できず、就労支援機関におけるサポートにより、自己理解をすすめ、雇用につながった事例 >>(PDF 3,438KB)
ここに出てくる地域障害者職業センターと同様の役割も“サテひら”が担っています。
事例2
抽象的な作業指示が理解できずマニュアル等の配慮で作業理解が進んだ事例、数字や文字が苦手で配置転換を行うことで、作業遂行力が向上した事例 >>(PDF 3,209KB)
長時間におよぶ同じ作業での集中力の低下に対するプログラムは改善の余地があると私自身の講座に対し感じます。
事例3
質問や説明することが苦手なため、質問方法や時間を定め、報・連・相ができるようになった事例、職場でのマナーやコミュニケーション面の課題に対して、適切な行動を具体的に示すことで支援した事例 >>(PDF 2,411KB)
アスペルガーの特性のひとつ“空気を読めない”については「文字どおりに理解してしまう」「く・う・き・と読んじゃう」この二人は十分読めてるなぁと感じたりしますが、ここに登場する「シーン3」のようなシチュエーションは結構生じます。
事例4
聴覚の感覚過敏が原因で集中力の低下が見られたためノイズキャンセリングヘッドホンを活用した事例 >>(PDF 1,051KB)
この事例では主に五感に関連する特性ですが、漠然とした“不安”といった感性、感覚にも過敏が見て取れる例もあります。
事例5
職場でミスを重ねてしまい、自信喪失により不適応を生じたため、ミスを減らす工夫と外部の相談機関を利用することにより、精神的な安定を図った事例 >>(PDF 1,300KB)
「聴覚から入る情報が苦手」な受講生のため当日の作業のレジュメをHPにアップ活用しています、また二次障害については利用者の殆どが大なり小なり抱えていると考えて対処しています。
支援のポイント・資料 >>(PDF 608KB)
ここまでの事例から職場でどのようなサポートが可能か分かりやすくポイントがまとめられています、ぜひ御社でもご活用下さい。
この“神経学上の発達”とは主に言語情報やソーシャル・キュー(社会的合図)を処理できる能力を言う、よって“定型発達”から見れば言語に含まれる多様なニュアンスを処理しない、所謂「空気を読めない」のが“発達障害”、一方“発達障害”から言えば情報伝達手段の“言語”の純粋性を持っていないのが“定型発達”となるのかもしれません。
>> 定型発達:Wikipedia
【独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構】高年齢者等及び障害者並びに求職者その他の労働者の職業の安定その他福祉の増進を図ると共に、経済及び社会の発展に寄与することを目的とした組織。今回紹介したコンテンツ以外にも多数の情報資料を提供されています是非ご活用下さい。
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