わたしたちのデザイン Our design  edit by Sate-Hira

サテひらオフィス・ストリートビュー

“サテひら”の地、大阪市から振り返れば、先の「阪神淡路大震災」の体験が強烈な記憶として残っていますが、それを遥かに上回る震災、津波、更に世界でも三例目となるメルトダウンまで体験した2011年は立地に関係なく私たち一人ひとりの胸に深く刻まれ、また個人の、家族の、社会のそれぞれの立場からこれまでの生き方、考え方、価値観に多大な影響を与えた年となりました。
その「東日本大震災」の復興支援の為わたしたちが関わった、本当に小さな取り組みになりますが紹介してみます。

復興支援とサンマ缶

2011年秋、震災の地は岩手県宮古水産高校が生産したサンマの缶詰を大阪の市場で販売するにあたりラベルデザインの依頼がNPOから巡り廻って“サテひら”へ!その缶詰のネーミングもナンとも大阪な「復活の証(あかし)やサンマ缶詰」。
サンマ缶詰ラベルデザイン その当時担当スタッフだった田中君がコーディネート、デザインメンバー全員で事にあたり、Kid君のデザインで進めることに決まる。
以降一か月以上の奮闘の末、脱稿、商品サンプルが届いたのは年末になってからだったと記憶する。

Kid君については「あなたへのメッセージ・入所のきっかけ」で“サテひら”との関わりを語ってくれていますので、それをご覧いただくとして、今回のデザインについて少し触れておきます。

基本スーパーフラットな古典的グラフィック、波頭や旭日の表現に浮世絵のスタイルを対比させてもいいのですが、それはルーツであって、推測するに“澁澤龍彦を筆頭にする幻想文学好き”を自認する彼ならではの横尾忠則的グラフィックの恰好の素材としリメイクしたのではないかと、あくまで推測ですが思っています。
それにしてもサンプル以外、市場でまだお目にかかれないのがなんとも残念です。



ハガキで支援

ルーペ
ハガキエイド作品Kid
ハガキエイド作品「在レ」Mr.Kid
この取り組みはデザイン講座のメンバーで自由課題のひとつとして希望者のみに制作してもらったもので、2名がそれぞれの視点から震災に対する思いを“ハガキ”に描きメッセージとして※「ハガキエイド」(復興支援を目的にしたメッセージハガキ投稿ウェブサイト)に参加してくれました。

上の作品はまたまたKid君のモノで細部は根気良く加算された構成物でいつも通り繊細ですが、驚いたのは人物(キツネを抱えた少女)が登場したことです。
まぁここまで機会がなかっただけなのかもしれませんが植物、植物化した人間しか目にしてこなかったので以外でした。それにしても少女と抱えられているキツネの関係が気になるわけで…、画像からは添えられた詩編が読み辛いので書き出しておきます。

地球ハ生キテヰル
生キテヰルカラズンズン歩ム
街モ 里モ 森モ 海モ
何モカモ蹴散ラシテズンズン歩ム
石クレ 動ク冷タイ石クレ
人間ハ生キテヰル
生キテヰルカラ歩マネバナラヌ
花ト 鳥ト 獣ト 魚ト
互ヒニ喰ヒ合ヒ 時ニ助ケヲ乞ヒ
共ニ歩ンデユカネバナラヌ
イノチノ力デ
尊イ イノチノ力デ

ルーペ
ハガキエイド作品MT
ハガキエイド作品「hayabusa_komachi_2013」Mr.MT
参加のもう一点はこの作品は(右画像)シルエットで表現された駅舎とホーム床のパースペクティブがハガキ面を横に貫く構成で、主役の列車と“仙台”のプレートが加わり独特の空間が生まれています。もう一言、この作者にとっては描く行為は見せる行為(表現)とイコールでは無くなっています、言い換えれば理論上存在するが物理的に視認不可能な描画行為、作品なのです。もし全てを見ようとすれば多分ハガキサイズを畳サイズ程度まで拡大しないと書き込まれた細部は観覧者にとって永遠に存在しないことになるでしょう…。

作者は「あなたへのメッセージ・わたしの“サテひら”」で語ってくれている「鉄ちゃん」いやいや「鉄氏」のMT君です。
メッセージについてはタイトル「hayabusa_komachi_2013」拡大画像でお確かめ下さい。
【岩手県立宮古水産高校】震災では実習船が被災、今回の件で調べてみると“水産高校”の実習には缶詰作りが普通にあるんですね!特にこの宮古では鮭の中骨(さけのなかぼね)缶詰が有名で最初に開発したのが担当教諭と生徒達だったそうです、ともあれ少しでも力になれていれば嬉しいですね。 >> 岩手県立宮古水産高等学校

【ハガキエイド】震災復興支援のため“デスクトップから出来ること”をコンセプトに自由に参加、自由にダウンロード可能な“メッセージハガキ”のウェブサイト >> ハガキエイド